政府は、7月17日の臨時閣議で「骨太方針2020(経済財政運営と改革の基本方針)」を決定しました。介護分野においても、アフターコロナの社会に適した“ニューノーマル”の様式へ移行していく構想が示され、ケアプランにおけるAI活用について推進する方針も明記されました。以前よりお伝えしてきた通り当社はケアプラン作成支援AIの開発に長く取り組んでおり、今秋の発売を目指しております。アフターコロナにおいて、当該分野への注目がより一層高まる中、一製品開発事業者として、今後も積極的に情報を発信して参ります。

■骨太方針2020 介護分野に関するサマリー
「骨太方針2020」は、新型コロナウイルスの流行を機に、社会変革を断行する意思が打ち出された内容でした。介護分野においては、感染リスクを低くしたり人手不足に対応したりする観点から「対面以外の手段をできる限り活用する」「生産性向上に取り組む」などの方向性が掲げられていました。

▽介護分野について、主に次のような「データに基づく科学的介護等」取り組みを進めることが明記されました。
・ケアプランへのAI活用を推進する
・介護ロボット等の導入について、効果検証によるエビデンスを踏まえ、2021年度介護報酬改定で人員配置の見直しも含め、後押しを検討する
・介護予防サービス等におけるリモート活用、文書の簡素化・標準化・ICT化の取り組みを加速させる
・医療・介護分野のデータのデジタル化と国際標準化を着実に推進する

「骨太方針2020」全文(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2020/2020_basicpolicies_ja.pdf

■ケアプランAIに関する政府方針
政府におけるケアプラン作成支援AIが検討された歴史は意外と古く、最初に提示されたのは2016年の未来投資会議内と思われます。それ以来毎年、表現は変わるものの、ケアプラン作成におけるAIの活用が方針として語られています。

■ケアプラン作成支援AIに期待されていること
なぜケアプラン作成支援AIに期待が集まっているのでしょうか。これまでの経済財政諮問会議・未来投資会議などで提出された資料や検討の状況を見ていると、以下が読み取れます。

1)人手不足の解消のため生産性向上、現場の負担軽減が急務である
2)データに基づく質のよいケアプランが求められている
3)AI が優位性を発揮できる機能を活かしながらケアマネジャーを支援できる

■ケアプラン作成支援AI「ケアプランアシスタント」の概要 開発中(今秋発売目標)
ウェルモが開発中の「ケアプランアシスタント」は、医療看護・介護・リハビリ職の知識・経験を学習し文章を解析して、ケアマネジャーのケアプラン作成業務を支援するAIエンジンです。ケアマネジャーはAIからの選択肢や文章の提案を元にケアプランを作成することで、作成負荷を軽減し、本来ケアマネジャーが最も得意とする相談援助に注力できるようになります。 (製品ページ https://welmo.co.jp/service/cpa/

<コンセプト>
「ケアマネジャーの「知らない」をゼロへ」
AIによるケアプランの自動作成ではなく、ケアプランを作成するケアマネジャーを支援することを目指しています。

<機能(ケアプランアシスタントでできること)> ※予定
・医療看護・介護・リハビリ等の専門知識の補助機能
・ケアプラン第二表のニーズ・長短期目標、サービスの文章提案機能
・利用者に適した地域資源情報の提案機能

<期待できること>
・ケアマネジメントの質の向上
・教育機会の創出や教育コストの低減
・業務負担の軽減 

「ケアプランアシスタント」は、福岡市や横浜市の協力を得て実証を行い、現場の声を聞きながら開発を進めてきました。2019年12月に実施された厚生労働省老人保健健康増進等事業「AIを活用したケアプラン作成支援の実用化に向けた調査研究」の結果も公開済です。ご覧ください。 (https://welmo.co.jp/news/archives/1281